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仮想通貨取引歴3年の”あかつき”です。イーサクラシックをはじめ、様々な仮想通貨に投資しています
イーサリアムクラシックとは
イーサリアムクラシック(ETC)は、イーサリアム(ETH)分岐して誕生した仮想通貨です。
イーサリアムといえば第二のビットコインともいわれる人気の仮想通貨で、スマートコントラクトを活用し、数々のアプリケーションが実装されるプラットフォームとしても知られています。
そんなイーサリアムに何があったのか。イーサリアムクラシック誕生のきっかけを知ることは、単に仮想通貨の個別銘柄を知るだけでなく、技術の進化の過程を知ることでもあります。
令和2年5月の資金決済法改正により、「仮想通貨」から「暗号資産」に法令上の呼称が変更されています。ですが、本記事では伝わりやすさを考慮し、ビットコインなど通貨として扱われているものは『仮想通貨』と呼んでおります。ご了承ください
イーサリアムクラシックの概要
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | Ethereum Classic:イーサリアムクラシック |
シンボル | ETC |
ローンチ時期 | 2016年7月 |
発行上限 | 2億1,070万枚 |
購入できる場所(国内) | コインチェック、GMOコイン |
公式サイト | https://ethereumclassic.github.io/ |
イーサリアムクラシック(ETC)は、イーサリアム(ETH)のスマートコントラクトを利用した「The DAO」と呼ばれる投資ファンドのハッキング事件(The DAO事件)がきっかけで、イーサリアムから分岐して誕生した仮想通貨です。
The DAO事件とは?
- イーサリアム上の投資プロジェクト「The DAO」がハッキングに遭い、投資家から募った約360万ETHが盗み出される
- 盗まれたという記録が残るブロックチェーンを否定し、盗まれる前にロールバック(巻き戻し)する方針を、開発チームとコミュニティの大半が支持
- この一連の対応に反対した一部のメンバーが、イーサリアムクラシックを開発
ビットコインに代表される仮想通貨の思想は「(国や中央銀行などによる)中央集権でない」という特徴があります。しかし、イーサリアムのコミュニティはThe DAO事件について「ハッキングをなかったことにする(ハッキングで失った通貨、ハッカーが得た通貨を無効化する)」ために『ハードフォーク』を行いました。
2016年にハードフォークが行われた結果、仮想通貨がもつ中央集権的でない自由な活動を制限するものとしてコミュニティ内で反発が発生。『もともとのイーサリアムを継続する』と主張したコミュニティ参加者がイーサリアムクラシックを開発・運営し、現在に至ります。
分裂はしたものの、イーサリアムクラシックはスマートコントラクトと分散型アプリケーション(DApps)の構築を可能にするプラットフォームであり、基本的な概念はイーサリアムと同様です。
「Code is Law」という考え方
ハッキングをしたハッカーの行為は人道的には正しいものではありません。
ですが、プログラムが絶対で、特定の管理者・団体の意識を反映しないという「非中央集権制」が仮想通貨のあるべき姿です。プログラミングコードこそが法律、という考えです。
ある種の原理主義VS現実主義のような形での意見の対立が、「ハッキングをなかったことにした」イーサリアムと「ハッキングの事実を認め、より強固なセキュリティをつくる」イーサリアムクラシックに分裂を招く結果となりました。
イーサリアムクラシックの特徴
「The DAO事件」をきっかけにイーサリアムから分岐し、本家イーサリアムの意思を維持する、という思想で生まれたイーサリアムクラシック。
ここでは、「イーサリアムクラシックの特徴」でもあり、「イーサリアムクラシックとイーサリアムの違い」ともいえる内容について解説します。
- コンセンサスアルゴリズムの違い
- 発行上限がある
- 半減期に似た仕組みがある
コンセンサスアルゴリズムの違い
イーサリアムクラシック(ETC)は、PoW(Proof of Work)というコンセンサスアルゴリズムを採用していて、これはビットコインと同様のアルゴリズムです。そして、ビットコイン同様に取引の承認作業にマイニング(採掘)が行われます。
補足:PoWとPoSの違い
- PoW(Ploof of Work):マイナーによるマイニング作業によって、取引を承認する
- PoS(Ploof of Stake):保有(ステーク)によって承認権限が付与される
最初の仮想通貨であるビットコインでは、改ざんなどの不正を排除する方法としてPoWが採用されました。しかし、マイナーによるマイニング作業の競争激化により消費電力が増大し、環境への懸念が指摘されるようになりました。そこで仮想通貨の保有量・保有期間に応じて承認行為への参加権限を付与するPoSが考えられました。
発行上限がある
イーサリアムクラシック(ETC)には2.1億枚という発行上限があります。イーサリアムには発行上限がありませんので、これも大きな違いです。
半減期に似た仕組みがある
ビットコイン(BTC)と同じく、イーサリアムクラシック(ETC)もマイニングによってマイナーへ新しいETCが報酬として支払われます。
また、BTCの半減期のように、マイナーへの報酬が減少する仕組みもあります。
過去に大幅な値上がりをしたこともありますので、そういった希少性に関する思惑を市場参加者の多くも感じていることがわかりますね。
イーサリアムクラシックの買い方
イーサリアムクラシックはCoin Cheak(コインチェック)や、DMM Bitcoin、GMOコインなど国内の主要な取引所で扱われています。
イーサリアムクラシックのチャート・価格推移
イーサリアムクラシックのチャート・価格推移を確認してみましょう(執筆時点:2023年10月29日)
過去には様々な思惑から価格が高騰したイーサリアムクラシックですが、この1年ほどは2,000円~3,000円以内で推移しており、直近の2か月は2,500円前後となっています。
ビットコイン(1BTC:執筆時点、510万円前後)やイーサリアム(1ETH:執筆時点26万円前後)と比べると、1ETCは求めやすい価格と言えます。
イーサリアムクラシックの将来性
- IoT分野での活用
- サイドチェーン技術
IoT分野での活用
IoT(Internet of Things)といえば、家具や家電など日常生活に使用する身の回りの「モノ」をインターネットでつなぐ技術として近年注目されています。
しかし、IoTは個人の生活習慣など「個人情報」にかかわる内容を取り扱うため、個人情報を守るための性能が必要となります。
イーサリアムクラシックはイーサリアムと袂を分かって以降は、The DAO事件以降、強固なセキュリティを持つ分散プラットフォームを強く指向した開発をしていますので、IoT分野とともに発展・成長していくことが期待されています。
サイドチェーン技術
イーサリアムクラシックは本体のブロックチェーンだけでなくサイドチェーンという仕組みを持っていて、これによって大幅なスピード向上を図っています。
仮想通貨の代表ともいえるビットコインやイーサリアムは流通量が多く、送金の遅延などの問題が顕在化していますが、イーサリアムクラシックはその問題を解消しており、評価が高まることで価格上昇の期待があります。
イーサリアムクラシックのリスク・注意点
- セキュリティ
- 開発力・コミュニティの規模
セキュリティ
The DAO事件を受け、「セキュリティを向上させたオリジナルなイーサリアムを継承する」としたイーサリアムクラシックですが、過去に3度も『51%攻撃』を受けています。
悪意あるマイナー(マイニングをする個人・団体)が過半数の承認作業を独占・支配することで、「不正な取引の正当化」「正当な取引の拒否・遅延」「マイニングの独占」などを行うこと
開発力・コミュニティの規模
The DAO事件後のハードフォークによって分裂した人たちがイーサリアムクラシックを開発していますので、開発者の規模、資金力に疑問を呈す意見もある、という状況です。
イーサリアムクラシックに関するよくある質問
イーサリアムクラシックはどこで買える?
国内の主要な取引所で購入可能です。アプリが使いやすいコインチェックがオススメです。
まとめ:イーサリアムクラシック(ETC)は将来性が期待できる銘柄
イーサリアムクラシックはThe DAO事件にはじまり、その後も様々な攻撃に晒され、そのたびに困難を乗り越えてきた仮想通貨です。
コミュニティの規模や資金力、セキュリティへの懸念は指摘されるものの、価格が高騰し、IoT分野への進出もきたいされるなど困難を乗り越えて成長する姿を見せてくれています。
仮想通貨の大前提を堅持する姿勢はエンジニアたちの気概を感じさせるものです。近い将来大化けする可能性もあります。先行者利益を得るなら今のうち、かもしれません。
今回は以上です。