プログマコインて何ですか?
三菱UFJ信託銀行が中心となって開発を進めているプラットフォームとガバナンストークンですね!2024年運用開始を目指しているとのことなので、少し予習してみましょう!
プログマコインはプラットフォーム
プログマコイン(Progmat Coin)は、”1coin=1円”で価値が固定されたいわゆる『ステーブルコイン』の発行・管理を目的としたプラットフォームで、三菱UFJ信託銀行が中心となって発行準備を進めています。ですので、プログマコインには「コイン」という名称がつくものの、仮想通貨そのものではないことがわかります。
プログマコイン(Progmat Coin)プラットフォームで発行される「国産ステーブルコイン」とはどういうものなのか?どういったメリットが僕たちユーザーに提供されるのか?そもそもステーブルコインとは何なのか?そういったことをできる限りわかりやすくまとめさせていただきました。ぜひ最後までお付き合いください。
本記事の内容
- プログマコインとは?
- ステーブルコインとは?
- 国産ステーブルコインの将来性
- 国産ステーブルコインのリスク・注意点
- 国産ステーブルコインに関するよくある質問
令和2年5月の資金決済法改正により、「仮想通貨」から「暗号資産」に法令上の呼称が変更されています。ですが、本記事では伝わりやすさを考慮し、ビットコインなど通貨として扱われているものは『仮想通貨』と呼んでおります。ご了承ください
プログマコインとは?
プラットフォームであるProgmatには下図のとおり、セキュリティトークン(ST)を扱う「Progma ST」、ユーティリティトークン(UT)を扱う「Progma UT」、ステーブルコイン(SC)を「Progma Coin」がそれぞれ存在します。
画像出展:Progmat
上図のうち、SC(ステーブルコイン)のプラットフォームで発行準備が進められているのが暗号資産(仮想通貨)を仮称としてプログマコインと呼んでいる状況でもあります(名称が発表されていないため)
ですので、PFとしてのイーサリアム、通貨としてのイーサリアム(ETH)と同じようなイメージで僕は捉えています。
出展:Progmat【グローバルに流通可能な「国産ステーブルコイン」発行に向けた金融機関横断の共同検討開始について(2023.9.11)】
そして、現在参画事業者間で共同検討が開始されている「国産ステーブルコイン」はこのProgma Coinプラットフォームを利用することが発表されています。
(本記事では、プログマコインプラットフォームで発行を予定している仮想通貨を「国産ステーブルコイン」と呼称させていただきます)
出展:Progmat【グローバルに流通可能な「国産ステーブルコイン」発行に向けた金融機関横断の共同検討開始について(2023.9.11)】
現在は左の図のように、それぞれ異なる事業者(Pay会社①、Pay会社②)が独自の例えば「〇〇ペイ」や「〇〇ポイント」などのトークンやコインを発行している状況です。そして、それぞれが相互利用できないことや、一部が払い戻しできないことで「顧客の囲い込み」に繋がっています。
「いつも同じ店で買い物するから囲い込みなんて気にしない」という方もいるかもしれませんが、「Pay会社①の残高はあるけど、このお店はPay会社②のものしか使えない・・・」みたいな経験は実際不便に感じますよね。また「Pay②は払い戻しできるけど、Pay①は払い戻しできない」ということで、Pay①の事業者は敬遠される可能性も出てきます。囲い込みは有利なようで、実はかなりの収益機会の損失を生んでいるとも言えます。
プログマコインプロットフォームを活用した「国産ステーブルコイン」は上の右の図の姿を目指しています。これが実現すれば僕たちユーザーも利便性が高まります。また、各発行事業者・金融機関もスムーズな相互利用が実現することで収益機会も増加しますし、相互利用のための事務手続きも簡素化できるようになるのです。
さて、決済利用であればビットコインなど従来から存在する暗号資産(仮想通貨)でよいのでは?と思われるかもしれません。また、『ステーブルコインとは何?』という疑問も浮かぶことと思いますので、ここからはステーブルコインについて理解を深めることにしましょう。
ステーブルコインとは?
ビットコインなどに代表される仮想通貨は、国や中央銀行などの中央集権的な金融システムではなく、P2Pによる分散型の電子決済方法として考案され、中央銀行をもたない国・地域の人々も利用できるものとして広まり始めました。
中央集権的な金融システムを持たない国の人々にも広く利用されることもあって、仮想通貨には資産価値が生まれました。それによって、資産価値に目をつけた人たちが押し寄せたことで価格が大きく高騰したり、何か問題が起きると大きく価格を下落させたりとボラティリティ(変動幅)が大きくなりすぎ、決済手段に用いるという目的を果たせない状況が発生しました。
それを解決するものとして登場したのがステーブルコインです。
ステーブルコインはいいとこどり
- 取引の利便性
- 信頼性
- 価格の安定性
ビットコインなど仮想通貨の特徴は「早くて安い」送金という取引における利便性と、コピーや改ざんができない信頼性にあります。そこに法定通貨と連動するという要素を持たせ、価格を安定させることで決済利用の利便性、信頼性の向上、手続きの簡素化による手数料の抑制も期待できるのです。
米国ではすでに「1ドル=1コイン」の等価交換を実現したテザーやUSDコインなどのステーブルコインが存在します。プログマコインを基盤とする国産ステーブルコインの登場は、円をベースにした国内の決済利用を便利にしてくれる期待がありますね。
国産ステーブルコインを持つ意味は?
ステーブルコインを持つ意味について考えるにあたって、お金そのものの歴史を紐解いてみようと思います。
古くは物々交換にはじまり、最初の現金として「貨幣」が登場しました。貨幣は重く、原価の高さもあり、「紙幣」に取って代わられます。そしてクレジットカードを経て、QRコード決済が登場しました。
ここ数年で現金の代替えとしての決済方法が加速度的に進化してきたわけですが、〇〇ペイなどのQRコード決済になった段階で冒頭に述べたような問題が発生しました。一度入金すると現金に払い戻せなかったり、払戻しに手数料が生じて等価でなくなるなどの問題です。
円と等価のステーブルコインが登場することは囲い込みのような状況をさけられるというメリットがありますし、現金はマネーロンダリング対策などで手続きが煩雑になるデメリットもあります。そういった煩わしさから僕たちを解放してくれる手段になりうるということです。
ステーブルコインの将来性
日本政府も2025年までのキャッシュレス決済率を40%に引き上げるという目標を掲げています。ビットコイン決済はあまり普及していませんが、円と等価の国産ステーブルコインが登場すれば、「〇〇ペイ」のような相互利用できないQRよりも利便性の高さは期待できますので将来性は高いといえます。
決済利用が目的のステーブルコインですから、従来の仮想通貨のような資産としての投資・投機による価格の上昇を期待するものではないという認識です。
ステーブルコインのリスク・注意点
これから詳細な情報が出てくるわけですが、「新たな仮想通貨が登場する」ということで悪質な投資や詐欺などが横行する可能性があります。
プログマコインプラットフォームで発行される「国産ステーブルコイン」は詳細が決まっていませんが、法定通貨である「円と連動する」仮想通貨であり、『1coin=1円』として固定され、値上がりを期待するものではないということをしっかり覚えておきましょう
ステーブルコインに関するよくある質問
基本的な事項、覚えておくべき事項をQ&Aにしました。本格的な発行に向けては詐欺・勧誘に注意しましょう。
国産ステーブルコインとは?
日本円に連動し、『1coin=1円』の仮想通貨です。今は計画段階で詳細はこれから決まっていくものです。
ステーブルコインの特徴は?
ビットコインなどの仮想通貨が持つ「早くて安い」送金という取引における利便性と、コピーや改ざんができない信頼性に、法定通貨と連動させることで価格を安定させた仮想通貨です。決済利用の利便性、信頼性の向上、手続きが簡素化することで、僕たち消費者にとって手数料の抑制や特定の決済方法への囲い込みの回避が期待できます。
どこの暗号資産取引所で扱われますか?
詳細はまだ決まっていません。ですので、「いちはやく入手でき先行者利益が得られる」といった投資詐欺や勧誘にはくれぐれも注意しましょう。
まとめ:2024年へ向けて様々な課題をクリアすることに期待
プログマコインプラットフォームを基盤にした『国産ステーブルコイン』について、その意味・特徴・将来性について解説しました。
正式な名称含めて決まっていませんが、三菱UFJ信託銀行を中心に、日本の主要な金融機関・大手企業が参画していることから、QR決済方法の広がりに黙って指をくわえているわけではないぞ、というメッセージを感じました。
これから続々と新しい情報が出てくると思いますが、あくまでも円と連動した決済利用に主眼をおいた仮想通貨ですので、「これを入手すれば儲かる」などの悪質な詐欺・勧誘に注意しましょう!
今回は以上です。